1943 ミッドウェイ海戦


(AC:カプコン/1987)






ゲームセンター通い

 このゲームに初めて出会ったのは北海道旅行の途中、今はなき青函連絡船の中であった。確か、入り口付近の一角にゲームコーナーがあり、3台のゲームが稼動していた。(他の1つは「アメリカ横断ウルトラクイズ」、もう1つは忘れた。)
 当時、私はゲームが下手だったこともあって「ゲームセンターでゲームをするのは金の無駄遣い」と思っていた。
 しかし、青函連絡船で時を過ごすのは小学生にはかなりの苦行であった。(約4時間)そこで、人がプレイしている様子をちらちら見たりしながら時間が経つのを待っていた記憶がある。
「我レ 敵艦隊 発見セリ コレヨリ 攻撃ニ移ル」
とか
「攻撃目標  利根  撃沈 破壊率100%」
という表示がなんとなく「かっこよく」 思われた。
 北海道からの帰りには千歳空港から飛行機を使ったのだが、やはり待ち時間が長く、時間つぶしの必要があった。
 そこで父はゲームセンターに私を連れて行ってくれた。
 やはりここにも「1943」はあった。今流行っているらしい。 『「大和」を撃破した方は2日間プレイ無料』 の張り紙があった。
 「そんなに難しいのか…。」ますます敬遠してしまいそうなものだが、逆に深く印象に残った。 (ちなみにこのときはメダルゲームをちょっとやっただけで、プレイしなかった)
 北海道から帰ってきてしばらくして、友人に連れられてゲームセンターに行った。 私は全然行く気はしなかったのだが、なんとなく引っ張られて来てしまった。 ここで「1943」と3度目の顔合わせとなった。
 なんとなく知っているゲームがこれしかなかったので1回プレイしてみた。
 ゲームはダメージ制なので一撃死はない。これはヌルい私には頼もしかった。あと、破壊する快感がたまらなかった。それは壊しまくるという類ではなく、カプコンシューティングの特徴の「やたらカタいボス敵」の「やっと撃破した」という爽快感である。
 初プレイは2面で終わったが、1回で私はこのゲームの虜となってしまった。毎日のようにゲームセンターに通っては、「1943」だけをプレイしていた。(そのうち、「R-TYPE」や「ファンタジーゾーン」などにも手を出すのだが)
 4面で行き詰まり、7面で行き詰まり、12面、14面、そして大和で行き詰まり、何度もあきらめそうになりながらついに1コインで全面クリアした。なんと1年半もかかった。しかし、その間「飽きた」と思うことは決してなかった。

ゲームについて

操作方法
レバー8方向移動
ショットボタンショット発射
メガクラッシュボタンメガクラッシュ(稲妻、カマイタチ、津波)
ショット+メガクラッシュ宙返り


ゲームの流れ

 強制縦スクロールのシューティングゲームです。プレイヤーは、P-38ライトニングを操作して大日本帝国海軍を撃破していきます。
 自機は通常状態で前方に2連のノーマルショットを撃てますが、パワーアップアイテムでより強力なショットを装備出来ます。
パワーアップアイテムは1つ取ると20秒間パワーショットが撃てます。連続して取ることで時間を貯めることが出来ます(最大64)。
 自機が敵弾や敵機に当たるとダメージを受け、エネルギーが減少します。エネルギーが0の時にダメージを受けると自機は墜落、ゲーム終了となります。(飛行していてもエネルギーを消耗します。ただしこれによって墜落することはありません)
 このほか、自機はエネルギーを8消費することで「メガクラッシュ」という強力な攻撃が出来ます。地形に応じて「稲妻」(敵弾消滅、敵に小ダメージ)「カマイタチ」(敵弾消滅)「津波」(敵弾消滅、敵に大ダメージ)の3種類が発動します。
 さらに、「宙返り」も出来ます。宙返りすることで敵を回避できます。「宙返り」は1面につき2回使用可能です。
 面は上空面とボス攻略面に分かれています。
1 上空面 敵の妨害を退けながら戦艦・空母等の攻撃目標を上空から索敵します。一定距離進むと敵艦隊発見のメッセージを発して急降下、ボス攻略面に移行します。(「亜也虎」、「大飛竜」等飛行機が攻撃目標の場合、そのままボスと対決となります。)
2 ボス攻略面 敵護衛艦、戦闘機を撃破していくとボス(攻撃目標)が出現。対決となります。このとき、70%以上ボスを破壊しないまま戦闘区域から脱出してしまうと作戦失敗と見なされ、ボス攻略面をやり直すことになります(まず生きて帰れません)。
パワーアップアイテム

 途中現れる赤い敵編隊を全滅させると、Powというアイテムを落とします。Powはショットを撃ち込むことでパワーアップアイテムに変化します。ショットガン→3WAY→マシンガン→スーパーシェル→(2回繰り返した後)エネルギータンクという順番です。
 また、編隊によっては、それぞれのパワーアップアイテムをそのまま落とすこともあります。(ショットを打ち込んでも変化しない)

アイテム一覧
ショットパワーアップ
ショットガン敵の弾を消すショットを扇状に発射。 連続して取るとスーパーショットガン(射程が長い)になるが連射できないのでどちらもクズ。 これを取ったことが原因で死ぬことが多い。
3WAYショットを3方向に発射。とりあえずこれを使おう。
マシンガン8連射ショットを前方に発射
スーパーシェル自動連射の破壊力のあるショットを前方に発射
レーザー隠れキャラの「招き猫」によるパワーアップ(3,9,14面の隠しコマンドでも可)。 貫通力、破壊力抜群(亜也虎を3発で撃墜するほど)のレーザーを前方に発射。
その他のパワーアップ
Powエネルギーが8回復
エネルギータンクエネルギーが24回復
弥七エネルギーが全回復
佐吉装備しているショットの使用時間が64になる。
サイドファイター自機の左右に小型機が随伴、 ノーマルショット、マシンガン、スーパーシェルをパワーアップしてくれる。 2発被弾すると破壊される。

 このほか、タケノコ、ジャンボイチゴ、牛、タル、モビちゃんなどの隠れキャラ (ボーナス点)があります。

絶妙なる難易度

 このゲーム、最初はそれほど難しくありません。大ダメージを受ける中型機の体当たりさえ避けられればすぐに10面程度まで行けると思います。
 私は上述のとおり何度も詰まりましたが。
 とにかく、終盤の3面(14,15,16)はかなり難しいです。
14面…中型機の出現パターンが意地悪。追い込まれてしまう。亜也虎がカタい。
15面…アイテムが少ない。取り損ねるとノーマルショットで長門と戦うことになる。
16面(最終面)…コンティニュー出来ません。
 ご丁寧に16面に入った瞬間、2プレイヤーの「INSERT COIN」の文字まで消えています。いくら金を積んでも、駄目なものは駄目なのです。
 もちろん攻撃は熾烈を極めます。

どうでもいいことだけど

 実際、太平洋戦争においてミッドウェー海戦があった(4空母が撃沈された)のは、1942年6月5日 です。
 やはり、前作が「1942」だからといって、タイトルがそもそも数字なので「1942II」とは出来なかったのでしょう。(これじゃ分かりにくすぎ)

隠しコマンド

 このゲームには、隠しコマンドがあります。 各面開始時に入力していると特定のパワーアップが64秒装備されているというものです。
 特に、亜也虎と戦う面(3,9,14)では時間無制限のレーザーが装備されます。 (ほかのパワーアップを取ると無効) 次の面のコマンドを知らないと丸腰になってしまいますが、 数秒で亜也虎を屠ることが出来るのは魅力的なのでここに紹介します。
3面・・・右上+ショット+メガクラッシュ
9面・・・右下+ショット+メガクラッシュ
14面・・・左上+ショット+メガクラッシュ
 他の面のコマンドも少し覚えているので機会があったら紹介したいと思います。
 ちなみに、2プレイヤー側にもちゃんと別のコマンドが割り振られていましたが、 こちらは今となっては思い出す術もありません。

シューティングの先生

 私にとってこのゲームはシューティングの先生でした。このお陰で少しなりともシューティングゲームがまともに出来るようになったのです。
 とっつきやすい難易度と分かりやすいシステムは今でも決して見劣りしないものを持っていると個人的には思います。
 家庭用ゲームでは、セガサターン、プレイステーションの「カプコンジェネレーション第1章」に収録されているものが忠実な移植作品として楽しめます。

総合評価
難易度★★★☆☆
操作性★★★☆☆
とっつきやすさ★★★★★
持続度★★★★☆
ショットガン役立たず度★★★★★+
思い入れ度★★★★★





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